未経験可~テレビ制作会社で働くメリット・デメリット【残業は?きつい?】
これから就職をしようと考えている人の中で、テレビ業界志望の方は人気の業界だし、自分のやりたい仕事ができると思っていませんか?
実際に就職活動を控えている学生の方やテレビ業界に興味があるという転職志望の方は、この記事である程度の知識をつけて、決意を固めていただければ、事前にどんな業界なのかある程度は理解いただけるかと思います。
ここでは、元テレビ制作会社勤務経験がある私が、テレビ制作会社に絞り、仕事内容、制作会社で働くメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
目次
【メリット】
・芸能人に会える
・多くの人と関係を築ける
・ロケ・撮影収録に取り組める
・メディアの編集・加工作業ができる
・番組が完成した時の達成感がある
【デメリット】
・残業時間の概念がない
・下積み期間は雑務が多い
・時間に追われる
・経営スキルは業務では身につかない
芸能人に会える
テレビ業界ということもあり、私たちが実際にテレビで見ているような芸能人を間近で見ることができます。
普段、私たちが見ているバラエティに限らず、制作会社は複数の局から番組の制作依頼が流れてきます。
そのため、番組によってはYoutuberや歌手、ニュースキャスター、ナレーターなど多くの業界の方とお会いする機会があります。
多くの人と関係を築ける
他の業界でも言えることですが、テレビ業界ではさらに多くの人と関わることができます。
社内はじめ、元請け会社である局関係の担当者、その下請け会社の会社、また協同でテレビ制作を行っている場合であれば、そのチーム、さらには番組の役者やタレント、技術関係の会社など多くの関係者が協力をして番組を作り上げています。
そのため、多くの人と出会う反面、希薄な一面もあります。
ロケ・撮影収録に取り組める
番組を作り上げる素材となるロケや撮影収録に実際に取り組むことができます。
ここでは、各担当の業務は省きますが、タレントやプロデューサー、ディレクターなど多くの関係者が収録に集まります。
ロケに関してディレクターが主導して構成を組んでいきます。
番組全体を監督するのが、脚本家の仕事です。脚本家になるまでには多くの作品に取り組み実績を作る必要があります。
メディアの編集・加工作業ができる
制作会社の裏方仕事であるのが、メディアの編集作業になります。
こちらに関しては、メリットとしてはより専門的な知識が身につくということです。
単純な編集作業であれば半年あればある程度の技術が身に付きますが、内容や構成面に関しては、ある程度の経験や知識、実績が必要となり、すぐに行えるものではありません。
制作会社では、フリーのディレクターと契約し、作業を進めていくことが多い傾向にあります。
番組が完成した時の達成感がある
これは何かを苦労した経験がある方は分かるかもしれませんが、一つの番組を作り上げた時の達成感が気持ちいものがあります。
苦労してきたことが報われた瞬間でもあります。
しかし、これはメリットでもあり、デメリットにも成りえます。実際に放送されたら視聴率が出ます。
視聴率が悪い場合、番組を作った責任者はかなりの重圧を背負うとともに、次こそはとまた次回の制作に向けて気持ちを切り替えて取り組まなければいけません。
ここまで、メリットをご紹介させていただきましたが、メリットはデメリットにも直結します。
自分の仕事領域が増えていくほど、責任感を持って番組を作り上げる必要があり、多くの人がかかわった番組に対して重責を背負う覚悟で番組作りに臨まなければいけません。
では、デメリットも紹介していきましょう
残業時間の概念がない
業界の一番の問題点でもあります。
しかし、テレビ業界の為、あまり報道はされていません。
局勤務に関しては以前より、残業時間は改善傾向にあります。
しかし、下請け会社は、改善の取り組みはありますが、テレビ離れによる人手不足の影響もあり、長時間残業を容認している節があります。
特に、重要な立場となれば 、当然、会社では仕事が終わることがなく家に持ち帰り仕事は当たり前という風潮もあります。
納期も限られており、人材を投入する必要がありますが、離職率の高い制作会社においては人材育成も厳しい現状にあります。
下積み期間はきつい
制作会社での勤務は基本的に、AD(アシスタント・ディレクター)、AP(アシスタント・プロデューサー)から始まります。
そのため、初めは番組を制作するための準備や会社の雑務、リサーチ、簡単な書類作成から始まります。
これは、仕方がないことですが、基本的に退屈なことしかありません。不備があれば鬼の形相で怒られることもあります。
テレビ業界においても、体育会系の傾向があり、上司によるところはありますが、失敗は理不尽に怒られることもあります。
パワハラなどは基本はありませんが、精神的に気疲れするケースも少なくありません。
忍耐力が自分はあると思っていても、厳しい状況が続けば逃げることも一つの考えです。
時間に追われる
共通する部分ではありますが、制作会社は、ほぼ下請けとして番組を作っていきます。
その為、納期の縛りがあり、常にギリギリの闘いです。
元請けの納期に合わせ、スケジュール調整をするため、常に先をいった行動が求められます。
納期が決まっている為、会議なども夜遅くから始まることもあれば、フリーで動いている担当とスケジュールを調整しなければなりません。
時間の管理が大切となり、それを仕切るADは時間に追われ、残業という感覚もなくなっていきます。
経営スキルは業務では身につかない
こちらに関しては個人的に必要と感じた感覚ですが、制作会社では、馬車馬のように働くのが常態化しています。
その為、会社の売り上げや番組の制作費、ロケなどの一切は責任あるものしか知り得ません。
従順に働くのもいいかもしれませんが、営業経験のある私は、数字感覚を掴めないのはすごく苦痛でもありました。
制作会社の勤務では、自分が独立して、フリーで長期的な経験や実績を積まないと成功はできません。
経営感覚はその過程で学ぶかもしれませんが、基本元請けから仕事を貰うため、今後も大きな改善はあまり見込めないでしょう。
まとめ
メリット・デメリットと見てきましたが、制作会社で働くということは、かなりの覚悟がいるということを胸に持ってください。
この仕事は花があって面白そうという感覚で勤めてしまうと痛い目を見るでしょう。
私もその一人です。
しかし、本当の志を持って、「私は、映画を作りたい」、「私は脚本家になる」という決意があれば本当の意味で仕事を楽しむことができると思います。
おもしろい番組を作りたい気持ちがあれば、将来自分の切り口で、テレビ業界を変えるきっかけを作ることができるかもしれません。
そのような、発想が今日の番組を作っていると思います。
難しい業界だからこそ、乗り越えたときは大きな意味があると思います。